nakaji tips「拮抗筋と主動筋」
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写真は「ひたちなかタイムトライアル」の写真。2023年は5月3日に開催予定です。
さて、タイトルに難しい(っぽい)言葉を二つ並べました。
まあでも文字を見てなんとなくお分かりだと思います。
主動筋とは、ある動作のために主に働く筋肉のこと
拮抗筋は、主動筋と反対の動作のために働く筋肉のこと
例えば、肘を曲げるという動作は主に上腕二頭筋(力こぶの筋肉)を使います。これが主動筋。
その反対側にある上腕三頭筋は拮抗筋となります。
逆に肘を伸ばす動作の主動筋は、上腕三頭筋が主動筋で上腕二頭筋は拮抗筋です。
主動筋と拮抗筋が上手に力の配分をすることで、関節は効率よく動きます。
動きを伴わず、身体を固めたり、安定させたりするときは、両方が同時に収縮したりすることもあります。
こんな働きを知っておくと、技術の上達に役立ちます。
■バイクのペダリングやランニングの着地時の太ももの筋肉
バイクのペダリングで上死点からペダルを踏み込む時の太ももの筋肉の動きについて説明します。
ペダルを踏み込む時は、膝の位置が下がるように太ももを振り下ろす動作と膝が伸びる動作に太ももの筋肉がダイナミックに動きます。
太ももを振り下ろす動作(股関節の伸展という動作)は、股関節をまたぐハムストリングが主に働きます。
そして、膝が伸びてゆく動作(膝関節の伸展という動作)は、膝関節をまたく大腿四頭筋が主に働きます。
股関節の伸展はハムストリングが主動筋であり、膝関節の伸展は大腿四頭筋は主動筋です。
そう、お互い拮抗筋であるはずの筋肉が主動筋として働いています。
ハムストリングが主に働く時は、大腿四頭筋がリラックスしていてくれると効率が良いはずなのですが...。
反対もそう...。
ランニングの着地時も同じような事が起きています。
■膝から下はリラックスって言われる理由
バイクもランニングも「股関節の動きをダイナミックにして、膝から下はリラックス!」なんてアドバイスをするコーチがたくさんいますが、それはこれが理由なんです。
バイクのペダリングで一番力を掛けたい時に、反対の筋肉でお互いの力を消し合ってしまうのは勿体無い。無駄な体力消耗と筋疲労を助長させてしまいます。
思い切り力を入れて膝を伸ばそうという力を入れると太ももの前を思い切り酷使してしまいます。ランニングの着地する瞬間に重たい身体を支えるために使う筋肉を、推進力を生むためにも使ってしまうと疲労してしまいます。
もちろん使わない訳にはいかないのですが、できるだけ力の発揮は抑えることで力の発揮の効率は高まります。
■脚が攣りそうな時に役立つ
主動筋を使うと拮抗筋はリラックスすることになりますので、ランニング中に太ももの前がピクピクと攣りそうになってきたら、反対側にあるハムストリングを上手に使おうと走ると大腿四頭筋の痙攣が止められたりします。
走りながら、姿勢を意識して、身体の裏側を使うように意識することで、前面がリラックスして痙攣を防いでくれたりします。
スポーツ中にダッシュしたりジャンプする瞬間に太ももの筋肉の肉離れを起こす事があります。
ジャンプやダッシュの時は、大腿四頭筋とハムストリングは同時に大きな力を発揮するために収縮しなければなりません。この時にバランスよく両側に力が入れば良いのですが、お互いに力を発揮しすぎて引っ張りあって筋肉に損傷を与えるような事があります。
大腿四頭筋とハムストリングの筋力バランスをHQ比といい、0.5を下回るとハムストリングの肉離れのリスクが高いという基準も合ったりします。
バイクやランの時に膝から下をリラックスさせて...という理由は、こんなメカニズムから言われている事なんです。
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