tri tips 2024【どうしたら浮けるのか?】今日からすぐに試せる脚を沈めずに泳ぐ方法(トライアスロン・スイム・クロール)
前回のおさらい。
【なぜ脚が下がるのか?】
答えは、重心と浮心の位置が離れて(重心が下半身側、浮心が上半身側にあるため脚が沈むトルクが発生する)いるため。
でした。
そこで今回はその原理を踏まえつつ、どうしたら脚を沈めずに泳げるようになるのか?
を科学的な知見(効率的な泳ぎには内臓の頭側への移動が関与~水泳における「下半身の沈み」を解明~)から解説したいと思いますいってみよう♪
昔々、"ドローイン"という言葉が流行りませんでしたか?
いわゆる、お腹を凹ませて腹圧を高めるやつです。
実はこの"お腹を凹ませる"ことが脚の沈みに大きく関わっていたんです。
※写真1:左腎レベルの矢状断 MRI 画像(論文より拝借)
こちらは、
Aが競技レベルの高いスイマーの安静時とA´がストリームライン姿勢時の腹腔内を表しています。
一方、Bはレベルの高くないスイマーのもの。
この論文内では、競技レベルの高いスイマーがストリームライン姿勢をとった際に起こるこの状態を、「上広がり+下すぼまり」と説明しており、この状態が内臓の頭側への移動を引き起こすと解説しています。
この"内臓の頭側への移動"がとても大切で、重心と浮心に影響する腕や脚の長さを変えることはできませんが、お腹を凹ませるだけで内臓が頭側に移動し、それが結果として重心位置が上半身側に移動することに繋がり、重心-浮心の距離が縮まるため、脚が沈みにくい状態を作れるということです。
水泳は、ランニングやバイクと異なり、支点がありません。
考えてみてください。
走っているときに着地する場所がなかったらどうやって進むのか?
いつ、どこに力を入れたらよいのか?
水の中ではまさにそれが起きています。
そのため、水泳を始めたばかりの方は四肢の末端に力が入り、水がうまく掴めず、また過度な緊張からすぐに疲れてしまうんです。
そこで大切になってくるのが、体幹周りの筋肉の使い方。
体幹周りの筋肉を適切に使えるようになってくると、そこから伸びている四肢(手足)がリラックスしつつも、ポイントポイントでちゃんと力が水に伝わるというわけです。
車の運転に例えるなら、スポーツカー(外側、四肢)に運転免許取り立ての人が乗る(体幹、内側)より、レーサーが乗った方が、スポーツカー本来の力を発揮できる、そんなイメージです。
いや、逆にわかり難いですかね。。。
話が少し脱線してしまいましたが、今回のタイトルにある、【どうしたら浮けるのか?】。
原理としては、お腹を沈ませることで内臓を頭側に移動させて、浮心と重心の距離を縮めることで脚を浮かせるでしたが、実際にやってみてもすぐに体得するのは難しいと思うので、色んな凹まし方を試してみてくださいね(/・ω・)/
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