tri tips 2024【暑熱順化言うてますけど何か?】(トライアスロン・暑さ対策・熱中症・夏・暑熱順化トレーニング・サウナ)
先日、4月14日(日)にトライアスロンシーズンが宮古島から始まりました。
宮古島は沖縄県にある島で、本日執筆日の4月16日の東京と比べるとその差5〜6度ほど。
一桁台の5〜6度の差よりも、二桁台の差の方が体感的には負担に感じるものではないでしょうか?
特に、まだ肌寒い3〜4月の都内や関東から夏のような宮古島に行くとなると、「暖かくて気持ちいい〜」となりつつも、まだ上手く汗腺が働いていないせいか、汗が出にくく体温が上昇しすぎて体力を大きく奪われかねません。
悪いと熱中症にもなり得ます。
そこで今回は、トライアスリートの皆さんにはみみたこなワード"暑熱順化(しょねつじゅんか)"について、その定義や変化、対策方法を「暑熱順化が熱中症に及ぼす影響の整理」を参考にしながら解説します!
【種類と定義】
暑熱順化は、獲得期間や発汗機能の違いにより短期暑熱順化と長期暑熱順化に分類される。
前者は季節の変わり目や運動により起きるものであり、後者は熱帯暑熱環境で生活する人に起きているものである。したがって、日本の夏における熱中症予防を考慮した時、あてはまるのは短期暑熱順化だと考えられる。
このことから、日本に(四季がある地域に住む)我々は前者の短期暑熱順化をする必要があることが分かりますね。
【短期暑熱順化の原理4つ】
1. 発汗機能の変化
2. 汗の成分の変化
3. 皮膚血管拡張の開始条件の変化
4. 循環血液量の増加
1つずつ見ていきましょう。
【1. 発汗機能の変化】
この変化が起こると、同じ強度の運動を行った場合、汗をより多くかきやすくなり、その結果深部体温が上昇しにくくなります。より多く汗をかきやすいくなる理由は、汗をかき始める深部体温が低下するためだそうです。言い換えると、例えば、これまで体温が38度になってから汗が出始めたのが、37.5度から汗をかき始めるということです。
そもそも、なぜ汗をかくかというと、汗をかくことで汗が蒸発するときに身体の表面の熱を奪って、身体を冷やしてくれるからです。
【2. 汗の成分の変化】
1の変化が起きるということは、より多く汗をかくことになりますが、汗には身体には欠かせないナトリウムイオンなどのミネラルが含まれているため、たくさんかく=たくさん失うことに繋がりかねません。しかし、暑熱順化が起こるとこれらの成分の濃度が低下するため、たくさん汗をかいても塩分の損失を軽減することが考えられています。
【3. 皮膚血管拡張の開始条件の変化】
このワードだけ聞くと「?」ですね。シンプルに言うと、この変化が起きると、体の表面の血管が広がりやすくなり体内にこもった熱を外に放出しやすくなります。
では最後に、
【4. 循環血液量の増加】
これは持久的トレーニングによって有酸素能力の指標とされている最大酸素摂取量が増加し、暑さへの耐性が高まるということです。
以上のことが、暑さに慣れる(適応・順化)上での原理でしたがいかがでしょうか?
要は、運動をすることや暑い場所への曝露(+運動など)によって体温が上昇→上昇しすぎないように汗をかいたり、皮膚表面の血管が広がり熱を放出しやすくなることが我々の身体の中で起こっています。
しかし、日本は9月ごろに夏が終わり秋から冬にかけてそういった環境ではなくなると、参考文献の中にもありますが、その適応が比較的早く消失してしまいます。
失った状態でいきなりまた夏のような環境に行ったり、ましてやそこで運動をすると体の適応が起きておらず体力を大きく奪われたり、熱中症になったりするのです。
ではどうするか?
それは、発汗機能の低下が起きやすい冬場こそ、汗をかく(体温を上昇させる何かしらの)努力を怠らないことです。
比較的簡単に取り組めることとしては、
・運動
・入浴
・サウナ
などですかね!
そういえば、まだまだ海水温は低いですが、シーズンインした今、海で実践しておきませんか?
次回は5月5日(日)とその次は11日(土)
両日ともサウナはご用意していますので、しっかり発汗できますよ!
※詳細はこちら
※サウナメインの申し込みはご遠慮ください。
※テントサウナの中はこんな感じ
ということで、今回はトライアスリートにはみみたこのワード"暑熱順化"について解説しました!
本日の都内はもはや夏!
急な環境変化(寒い→暑い)に対応できるようになるためにも、日ごろから鍛えられる部分は目に見える筋肉だけでなく、発汗機能も鍛えておきましょう!
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