nakaji tips「気温、湿度、高度」
↑この写真は、コロラド州ボウルダーと言う場所で、世界的な高地トレーニングの聖地と言っても良いくらい、有名な場所です。日本では、マラソンの有森裕子選手や高橋尚子選手で話題になった場所です。
標高1600mほどの場所に街があり、小川沿いにランニングやサイクリングのコースが整備され、アップダウンのあるバイクコースはいくらでも取れ、更に2800mくらいまで登ることができ、2800mほどの標高で細かいアップダウンがあるコースがあったり、持久系スポーツを強化する場所としては、最高の拠点です。いつかは、皆さんを連れて行ってトレーニングをしてみたいと思っております。
この写真は2019年5月。ホノルルトライアスロン、ホノルル駅伝と2週間ハワイで仕事をして、そのままボウルダーでの仕事に向かいました。
■暑さに弱い
実は私、暑さに強くなく、ホノルルでのランニングは景色を楽しんでいますが、湿度が低い分マシですが、結構ツラかったりしています。この移動日の朝もホノルルでランニングし、「明日からは涼しい場所で走れる!」とウキウキしていました。
しかし、ボルダー到着後すぐにランニングをしてみると「う、苦しい...。あ、高地だから酸素が薄い...。」と楽に走れなかったのです。
高地と暑いのどっちがツラい?と考えながら走ったのですが、ホノルルには2週間滞在していたので、出発する直前は身体が馴れていた頃でしたので、雪が降るほどの気温で走りやすいはずだったのですが、移動した直後の低酸素環境下でのランニングの方がツラかったと言う記憶が残っています。
運動による負荷だけでなく、気温、湿度、高度が身体への負荷を変えることを改めて実感しました。
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↑標高2700mでこんな道が続き、ランニングをする人も
■高地も慣れる
選手のトレーニングで毎週のように富士山に通っていた時期がありました。
毎年、最初に登る日は頂上に近づくと高山病のような症状が出て、頭が痛くなるのですが、毎週のように通い、さらに志賀高原で1週間ほどの高地トレーニングが入ると、頂上までのタイムも速くなり、頭も痛くなくなります。
トレーニング指導の際に、「人は与えられた刺激に適応してゆく」とお伝えしています。
ヒトって環境に適応しようとするので、身体をその環境に馴らす事は大切だと身を持って感じています。
上記のような高地トレーニングでは、本来求めている高地トレーニング効果は得られないのですが、それでもパフォーマンスに好影響を与えてくれます。
■適応までの期間
身体が環境に暑熱環境や低酸素環境に適応するまでには、1~2週間かかると言われています。それまでの間は、疲労回復が遅れたり、体調を崩す可能性が高いので、運動強度を抑え、時間も短めにしたり、睡眠時間を長くとったりする必要があります。
高地トレーニング合宿に行った時も、前半のメニューは抑え目に行い、徐々に強度、時間を伸ばすようにプログラムし、選手には睡眠時間を長めに取るように指示しました。
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■これからの季節
ある指導資格を取るときに、共通科目と専門科目の講義があり、1週間の合宿講習を2年かけて7回受講し、試験を3回受けたことがあったのですが、3回の試験ともに出題されたのが熱中症。
スポーツ現場だけでなく、テレビやネットのニュースでも常に注意喚起をしているのに、毎年熱中症で命を落とす人がいます。
暑熱環境下で運動すると、体温が通常より高くなります。
体温が上がりすぎると身体への負荷が高まり、パフォーマンスが下がります。
身体が暑さに馴れるまでは、強度、時間を短く、疲労回復の時間を長くとり、暑さに馴れた後でも、可能な限り涼しい時間、環境でのトレーニングにし、暑さによるストレスを減らすことが大切です。
■昨年の記事
昨年も同時期に熱中症のお話をさせていただきました。
参考にしていただき、ぜひ対応をしていただきたいと思います。
→ 昨年の記事
■ウェア
身体を覆う面積をできるだけ減らすこともポイントです。直射日光を避けることよりも身体を覆う面積を減らすことを主に考えてください。
筋肉、関節のサポートを得られるウェアよりも暑さ対策をメインに考えてください。
体温を下げるために、汗を効率よく蒸発させる必要があります。一部、蒸発を効率よくするウェアがあるようですが、冷たい感覚がするとか濡れている感覚がするだけでは、体温を下げる効果は大きくありません。
十分注意していただきたいと思います。
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