2024年2月11日、今年で2回目となる『別海アイスマラソン』が開催された。
日本で唯一陸地を走らないマラソン。
別海町は野付湾の氷海(つまり氷の張った海の上)を走るマラソン大会だ。
しかもこの時期の最低気温はマイナス20℃まで下がることもある極寒のアドベンチャーマラソンなのだ。
同じようなレースを探すと南極圏で開催される『南極マラソン』という大会がある。
こちらは世界中の猛者達がチャレンジする氷上のレースだが、参加にかかる費用はアルゼンチンからのチャーター便など含め数百万にのぼる。
それに加え、アルゼンチンまでの渡航費用と期間の工面も必要となるそうだ。
その点、別海アイスマラソンは羽田から会場最寄りの中標津(なかしべつ)空港まではなんと2時間弱、更に空港からオフィシャルのホテルまではタクシーで7分。
また、ホテルからレース会場までは大会シャトルバスが用意されており、所要時間は片道約30分とアクセスは抜群である。
費用面も南極マラソンとは比較にならないほどリーズナブルだということは想像がつくだろう。
別海アイスマラソンはとってもお手軽にエクストリーム体験が味わえるアクセス抜群のアドベンチャーマラソンと言える。
さて大会当日。
気になる気温はマイナス10℃とこの時期にとっては暑い?コンディションだ。
しかし路面は程よく締まって走りやすい。
また、抜けるような青空と水平線へ向けて広がる真っ白な氷海のコントラストが素晴らしい。
今年は102名のエントリーがあり90名が出走した。
別海アイスマラソンの競技距離は、
・42キロ(IceSeaMan)
・16キロ(NorthernTri)
・4.2キロ(IceTri)
の3部門。
コースは全て海の上で1mmたりとも陸地を走らないマラソンだ。
8時のスタートを皮切りにそれぞれ各部門が競技を開始する。
コースは1周4.2キロの周回コース。
選手は1周毎にテントで休息や着替えが可能だ。
長距離レースにおいて、もちろん補給はマストなのだが、極寒のレースを乗り切るポイントの一つには装備が重要だ。
特に手先足先と頭の防備、そしてその場の外気や自分の体調に合わせたウェアリングの調節が大切になってくる。
また、シューズについてもトレイルシューズを中心に各自の工夫が感じられる。
今年は路面も気候もコンディションが良く、昨年より1時間以上早い展開でレースが進んだ。
42キロ優勝の栗原選手は3時間48分でフィニッシュ。
足場の固い前半に距離を稼いだと語る。
続いて昨年優勝の小泉選手が3時間57分で準優勝。
持ち味の悪路での強さを生かし後半はグイグイとトップを追い上げる力走を見せ、昨年より1時間半以上タイムを縮めた。
今回の完走率はもともと途中で棄権をする予定だった1名を除き、なんと100%という嬉しい結果となった。
以上、別海アイスマラソンの競技に触れたが、大会の魅力は勿論レースだけではない。
エイドステーションに並ぶのは地元の特産物。
別海町は漁業に酪農と食材産業がデュアルで盛んなグルメ天国だ。
新鮮な肉厚のホタテや、旨味の凝縮したシマエビ。
また、生乳生産量日本一を誇る乳製品はどれも絶品。
当然畜産物も豊かでお肉についても最高レベル。
これらの地元グルメはレースの前後にも是非楽しんでいただきたい。
更に、オプションのお楽しみはグルメにとどまらない。
レース会場では氷の海に穴を開け、テントを張って行うチカ釣が盛ん。
また氷の海といえば、最近流行りのテントサウナを使ったアヴァントサウナを体験することも出来る。
アヴァントとは凍った湖に穴をあけ、サウナで体を温めた後に湖の冷水に浸かってクールダウンする本場フィンランドのサウナ文化だが、こんな体験が出来る場所は数少ない。
こんな日本でも稀にみる場所をもっと多くの方に知ってもらいたい、体験してもらいたい。
THIS IS 別海アイスマラソン!
ここでしか出来ないことがある。
人間はどこまでタフになれるのか!?
是非一度あなたもこの体験を味わってみてはいかがだろうか。
【別海アイスマラソンオフィシャルページはこちら】
https://icemarathon.jp/