tri tips 2026 ドラフティングが変わると、スイム練習はどう変わる?
先日、トライアスロンのアイアンマン・プロカテゴリーにおいて、バイクのドラフティングゾーンが20mに拡大される(2026年3月〜)
という大きなニュースが報道されました。
これまでよりも、明確に「単独走」が求められるルール変更。
個人的には、スイム(の練習環境)も一度振り返る必要があると思っています。
なぜドラフティングの話がスイムに関係するのか?
エリート以上のレースになるとトライアスロンでのスイムの位置取りは、その後を大きく左右します。
・前に出ればバイクではうまく第一パックで回せる
・中途半端な位置だと、出入りが多く消耗
・後ろだと、追いかける展開になる
※心理的にも後ろにいる完全なる単独よりも前集団にいる単独の方が楽
アイアンマンのバイクパートで「20m空けなければならない」ということは、これまでのルール(12m)よりもさらにバイク単独の力、さらにはそこに至るまでのスイムでの位置取りの価値が上がることが言えるのではないでしょうか?
ちなみに、あるT大学でのプール実験(10秒間隔)でもドラフティング効果はあるという報告があります。
10秒。
短いようで25mプールではかなりの距離ですよね?
結構間を空けているつもりでも、
・完全に後ろに付いていなくても
・少し前の人が作った流れを使っている
可能性があるということ。
日本の25mプール環境を考えると...
日本では25mプールでのトレーニングが一般的です。
そして実際のトレーニング現場は、
・10秒間隔を空けたくても空けられない
・後ろに人が詰まっている
・結果、間隔5秒くらでスタート
ということがよくあります。
つまり、意図せず、いやしている人も多いかもしれませんが、常にドラフティング状態で泳いでいることが多いということで、これは楽に泳げているようでいて、大会を見据えたときには考え直した方が良い状況でもあります。
ドラフティングが「泳ぎ方」に与える影響
私が普段泳いでいる中で感じたことで、今回一番伝えたいところは、ドラフティングをすると、
ドラフティングをする(した)場合
・前の人に付いていく意識が強くなる
・ストロークが受動的になる
・無意識に前の水圧に引き寄せられることによりリズムが崩れることもある
一方で、
ドラフティングができない(しない)場合
・1ストロークずつ水を捉える意識が強まる
・自分で推進力を作らないと進まない
・フォームの粗がはっきり出る
どちらが良い・悪い、ではありませんが、練習でずっと前者だけだと地力は伸びにくいのでは?
というのが正直なところです。
だからこそ、練習でやってみたいこと
限られた環境の中でもできることはあります。
・可能なら、少し間隔を空ける
・空けられないなら、思い切って先頭に行く
・先頭が取れたら、最後まで逃げ切る
・下のコースで先頭で泳いでみる
こうした選択を繰り返すことで、
「付いていく泳ぎ」から「自分で進む泳ぎ」へ少しずつ変わっていく、地味ですが確実に地力がつく練習です。
ここで誤解してほしくないのは、ドラフティング=悪ではないということ。
トライアスロンでのスイムパートは「いかに楽に泳ぐか」が許されています。
・上手な人の後ろに付く
・少し速い人の後ろに着いてリズムを学ぶ
・省エネで効率よくスイムを終える
これも立派なトライアスロンのテクニックであり、醍醐味でもあります。
※実際に私は昨年のレースでそうしました!
ルールが変わると、練習の意味も変わる
・スイムで前に出る意味
・地力の重要性
・「付く泳ぎ」と「作る泳ぎ」の使い分け
これらを、練習の中でどう扱うか?
プールでの10秒、先頭に出る勇気、後ろから追われるメンタルもフィジカルも普段より苦しい選択。
でも、その積み重ねが大会本番で「楽に終わるスイム」につながるのかもしれませんね。

