nakaji tips「ちょっとぐらいは痛くても!」
トライアスロンをもっと楽しむために毎週配信しております。
驚いたことに「痛みがあっても走った方が良いよ!」ってアドバイスをする人がいるようです。
さらに、最近セッションに参加していただく方々とお話をしていると「ちょっとくらいの痛みなら走っても良い」という認識の方が多いということに驚いています。
ダメですよ!!
2020年10月に配信したこのコラムに「ランナーの6割が怪我をしている」というアンケート結果を紹介しましたが、その後、国内外のアンケートを見てみると9割というアンケートがあります。
「怪我をして一人前」という事を言ってしまう人もいますが、これも大きな間違い!
みんな無理をしてしまっていることがわかります。
■ 怪我には前兆がある
ランニングの膝痛、バイクの腰痛、スイムの肩痛などなど、持久系スポーツのケガのほとんどは、使い過ぎ症候群です。
使い過ぎ症候群(オーバーユース・シンドローム)は、読んで字の如く、回復が追いつかないほどトレーニングを続けてしまって、ある部分に負担が集中して炎症が起きてしまうことがほとんど。
さらに、どこかの関節が動きづらくなると、人は、動かない関節の働きを別の筋肉がその動作を代償してしまいます。代償を担ってしまったところは、負荷が大きくなりケガをする(これも使い過ぎ症候群)というパターンもあり、これは運動量がそれほど多くなくても起きてしまうこともあります。
* 関節が動きづらい
* 寝起きの数歩、足が痛い
* 階段の下りで痛みが出る
* 筋肉にハリがある
* 身体が硬くなった
などなど
痛みに発展する前に、何らかの前兆があるはずです。
この前兆に気づかず...気づかないふり....をして、トレーニングを継続すると炎症、痛みに発展してしまい、トレーニングを中断することになってしまいます。
■せっかく調子が上がってきたのに...
調子が上がってきたところでケガをする人が多いようです。
ペースも上げることができ、量も増やすことができるようになってきて調子が上向き...というタイミングが要注意です!
さらに、「この調子が上がっているタイミングで休めるか!」と、走り続けてしまいます。
「ちょっとぐらい痛くても走れるし」「温まってくると痛みが消える」
これが曲者です...。
この状況でトレーニングを続けると、トレーニングを中断しなければならなくなってしまいます。
"前兆"の段階でトレーニング量を減らす、休む、ケア(マッサージなど)を受ける事で早い回復が見込めます。
本当にこの前兆でしっかり対応する事が、その後の回復までの期間を大きく左右します。
■走る時間を10分削っても良い
さらに言えば、この前兆が出ない方が理想的です!
走る時間を10分削ってもケアをしたり、動き作りをすることでケガの予防になるだけでなく、良い動きでトレーニングすることはパフォーマンスの向上にも大きな効果をもたらしてくれます。
さらにストレッチングなどを習慣化させておくと、動きが悪くなった、硬くなった事を早めに見つけることができます。
■不安解消のためのトレーニング
痛みや違和感があっても走ってしまう理由は、「不安だから」というものが多いようです。
「せっかく積み上げてきたトレーニングの効果が落ちてしまう。」
「レースまでの期間が迫っているのに、長い距離を走れてない....」
こんな不安を解消するために走ってしまって怪我をするパターンがとても多いのです。
不安のためのトレーニングは、身体のためになってない事がほとんどです。
身体にとって良いことをしてあげましょう!
寝起きにコーヒーを淹れ、すぐにニュースを見ながら20分ほどストレッチングをする...そんな習慣ができると良いですね。
痛みや違和感を感じながらトレーニングをするのは、ランもバイクもスイムもNGですよ。
早めに対応しましょう!