nakaji tips「レースのスイムで脚がつる!」
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先週のトライアスロン初心者キャンプでの質問の中で「海で泳ぐと脚がつるのですが、どうしたら良いですか?」という質問がありました。
庭田清美コーチが「前を見るためのヘッドアップの動作が大きいのでは?」というアドバイスをしておりました。
何でも実践したがる私は、早速その後の実技の時に大袈裟に前を見るようにヘッドアップしたら、「ピキっ」と来ました!
(何も脚をつる動作までしなくても良いのに...と反省しました)
さすがのアドバイスです!
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↑相変わらず下手なイラストで申し訳ありません。
上の図は、通常のスイム:頭が身体の軸と同じ位置で泳げています。
二段目は、通常のスイムの息継ぎの時に頭が上がってしまう人の特徴です。頭が上がることで身体が反り、下半身が沈みます。
そして、一番下は、ヘッドアップ動作を大袈裟に行った場合。頭を大きく上げることで、さらに身体が反り返り、大きく下半身が沈み、腰から足までの後面に力が入ってしまいます。
■反り返ると背面に力が入る
頭を上げようとすると、背中、腰が反ります。
陸上では、お腹を視点にお椀のように上半身と下半身が同じように反り返るのですが、水中では頭を上げようとしているので、下半身が沈みます。
身体を反らせるという動作は、身体の背面の力を強く使っています。
でもキックやストロークは下方向に力を入れるので、背面優位な状況で前に力を入れるという大きなアンバランスが生じます。力が入りにくくなったり、動かしたい方向に動きづらくなります。
さらにヘッドアップが大きくなり、反りが大きくなれば、その力は増えます。
でもキックを打たなければなりませんし、腕も動かさないと行けません。
入水した手はキャッチ動作のために腕を高い位置で保持することはできずに、すぐに落ちて行きますし、身体の前と後の筋肉が引っ張り合い、かなり無駄な力を発揮します。このアンバランス、無駄な筋力発揮が脚を攣る原因だと考えられます。
■ヘッドアップは最小限の動作で
まず、日常のスイムトレーニングから頭を正しい位置に保持して泳ぎ、息継ぎをすることがポイント。
コーチにしっかりチェックしてもらってください。
さらにヘッドアップの時は、顎が水面から上がるような大きな動作ではなく、顎を軽く引いた状態で目だけ水面から出すようなヘッドアップを身につけてください。
昨年8月にこのコラムで紹介した動画です。
ヘッドアップの大切さと動作について解説しています。
タイミングよくヘッドアップをし、ヘッドアップをする瞬間は、お腹にキュッと力を入れて、顎を軽く引いて、目だけ水面から出すような動きにしましょう。
↓画像をクリックすると動画を見ることができます。
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↑画像をクリックして動画を再生
「目だけ上げるだけじゃ前が見えないじゃないか!」と言われますが、波がなければ十分に前を見ることができます。
また、波で身体が浮き上がったタイミングで前を見ると遠くまで見ることができます。
人が多く、波が不規則で前を見ることが難しい時は、数回に一回だけしっかり前を見て、あとは周りに泳ぐ人の方向などを見ながら泳ぐことでロスを減らすことができます。
■効率よく海を泳ぐ
オープンウォータースイムでは、ヘッドアップの回数を増やして、最短距離を泳ぐことはとても大切なことです。
ヘッドアップ動作によるロスを最低限にして、身体への負担を減らして脚を攣ることなく泳ぐことがポイントです。
まずは日常のスイムで頭の位置、顎の位置を意識して泳ぐこと。
そして、海でのトレーニングで顎を上げずに泳ぐことを練習してみてください。
シーズン後半になってきました。残り少ないOWSスクールをお楽しみください!
庭田清美コーチによるパーソナルトレーニングもありますので、お気軽にお問い合わせください。