nakaji tips「最大スピードじゃない!」

  • 2021.10.01

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トライアスロンを楽しむための情報を毎週配信しております。

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何度かフルマラソンのペースメーカーを担当させてもらったことがあります。
同じペースで走り続けて行くのですが、3時間台、4時間台、5時間台など担当する目標タイムが変わっても同じ現象が起きます。

レースがスタートして20kmを過ぎるくらいまでは、私を抜いていく人がほとんどです。
大袈裟に言うと、20kmまで私は他のランナーを追い抜くことがなく、抜かれ続けます。

ところが、20kmを過ぎると反対になります。
前半に私を追い抜いた人たちに追いつき、追い抜いて行きます。
特に30kmを過ぎると、ペースメーカーである私を見ようともせず、ただトボトボと進み続けている人を抜いていきます。
前述の通り、それが3時間でも4時間でも5時間でも設定のタイムが違っても同じ現象が見られます。

と言うことは、どんなタイムでも、多くの人が前半にペースを上げすぎて、後半に失速しているという事です。

レースのスタート直後に「あれ、今日俺速くなってる」と大きな勘違いをする人がいるんですよね〜笑


■最大スピードを高めるために行う練習はいらない

トライアスロン、マラソンともに一定のペースで、長く身体を動かし続ける事が一番大切。
バイクで頑張り過ぎて、ランが走れない。ランの前半で追い込み過ぎて、後半歩く...と言う声を良く聞きます。

話を聞くと、最大酸素摂取量を高めるような練習をする人が多いんです。
最大が高ければ、トライアスロンやマラソンに必要な強度が75%程度のスピードが上がると思っている人が多いようです。

クルマの場合は、使うエネルギーはガソリンだけで、大きいエンジンの車が低速で走るのはすごく楽です。

でも、動物の身体は、強度が違うと使うエネルギーが違うし、その代謝方法も違います。
高い強度は糖質を使う割合が多く、低強度だと脂肪の割合が多くなります。
常に両方のエネルギーを使っているが、強度が違うとその割合が変わり、トライアスロンやマラソンは、糖質の量が多くなるギリギリの強度で脂肪をできるだけ使うような強度で走る事が良いと言われています。

代謝が変化するギリギリの強度で走る能力を高めるためには、その強度より"ほんの少しだけ"高いところでトレーニングする割合を多くする事が、長く走り続ける体力を向上させてくれます。

低強度、中強度、高強度で使うエンジンが違うと思ってもらった方が良いと思います。

低強度で使うエンジン、中強度で使うエンジンを高性能にするようにチューンアップし、高強度で使うエンジンは、エンジンの性能と言うより、高い強度で走ることにより、動きや筋肉の性能を高いものにするために使うようなイメージでトレーニングを考えてみてください。

スプリントディスタンスやスタンダード(オリンピック)ディスタンスのレースでは、最大を高めるようなトレーニングも少し取り入れる必要があります。


■トレーニングの強度を意識する

最大スピードを高めるようなトレーニングは必要ないということではなく、高強度インターバルなども取り入れる必要はあります。
しかし、マラソンやトライアスロンの終盤まで一定のペースで走り続ける体力を向上させるためには、脂肪を主に使う強度のトレーニングと糖質を使う割合が少し高まり、血中乳酸(※1)が徐々に上がってゆくくらいの強度でのトレーニングに多くの時間を使ってください。(※1血中乳酸について:以前の記事に解説しておりますので、そちらをご確認ください)


ペースと心拍を確認し、呼吸と自覚的な運動強度(「ややツラい」とか「ツラい」など)を意識してトレーニングする事が大切です。乳酸を測定するようなテストができると正確な強度を把握する事ができるので、トレーニングの効率が一気に上がります。
(バイクの場合だとパワーメーターを使うとさらに効果的)

乳酸の産生量が増えてくる強度で呼吸が変わったり、強度の感覚が変わります。
レースでの心拍数、ペースを記録しておくと、そのデータからトレーニング強度を考えることも可能です。
大雑把に言うと、フルマラソンで失速した時の前半の心拍数より「少し低めの強度」でベースを作り、失速した時の強度とそれより少しだけ速いペースで心肺持久力を高めるようなイメージです。


■フォームも大きな要因

さらに、ランニングフォームを改善することで身体への負荷が変わります。余分な筋力、エネルギーを使わずに走れると言うことは、速いペースを長く続ける事ができるようになります。
フルマラソンを走ると30,000回〜40,000回、着地動作があります。1回の着地で受ける負荷をほんの少し改善するだけで、後半の身体の疲労度は大きく違います。
理想的なフォームについては、改めて別の回に解説します。


■総合的に考えよう

トレーニングの強度(心拍、ペース)、フォーム、ピッチ、ストライドなどなど、ランニングのスピードに与える要素はたくさんあります。フォームでも全身各部位に理想的な動かし方があります。一つ一つは小さなものかもしれませんが、小さな改善を集めることで、長い距離のレースには大きな影響となります。

もう一度ランニングについて総合的に考えてみる時間を作ってみてはいかがですか?

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