nakaji tips「ギア比と回転数、ペダルを踏む力気にしてますか?」
先日、諏訪湖でのライドセッションのためにコースの下見をしてきたのですが、その際にARGON18のKripton proという自転車をお借りしました。
数年乗り続けて来たMERIDAのReactoという攻めのエアロロードバイクとは大きく違って、楽に長く乗るためのエンデューランスバイク(と言ってもパリ〜ルーベでプロチームが使用)。フレームの差ももちろんあったのですが、ギア比も大きく違って、改めてギアの選択について考える良い機会でした。
今までのバイクには、フロントに53-39(外側のギアの歯が53コ、内側が39コ)、リアには12~25(小さなギアは12で、内側にある大きなギアは25。11速のスプロケット)と体力ないクセに、ガンガン行く選手並みのギアが付いています。(ある理由があるのですが...)
今回使用したバイクには、前が50-34で後ろ12-28と、かなり大きな差があります。
久しぶりに大きな変化を感じ、もう一度自分にあったギア比を考え直す良い機会ができ、パワー、ケイデンス、心拍、足首、骨盤の角度を見ながら、再度選択をしなおそうと考えております。
■頑張りすぎることを防ぐ
パワーメーターを活用する人が増えて来ました。自分が今どれくらいの仕事(力の発揮)をしているのか?客観的に示してくれます。(お仕事も数値化できると楽ですね笑)
トレーニングの強度を明確にするだけでなく、レースの後半まで効率良く走り続けるため、頑張りすぎることを防ぐためにも、パワーメーターはとても有効です。
勾配が急な坂道だけでなく、ついつい勢いで頑張ってしまう緩やかな坂道でも力を加減して、後半の失速を防いでくれます。
レースの後半でペースダウンしてしまう人、ランで潰れてしまう人の多くは、バイクパート前半で高いパワーを発揮し続け、後半に徐々にパワーが落ちてしまっているという傾向が見られます。
パワーは、ペダルを1回に踏む力と回転数で変化します。
同じ200wというパワーでも、ペダルを踏む力は軽め(軽いギア)で回転数を増やす場合と、ちょっと重たいギアを選択してぐいぐいと低い回転数で走る場合があります。
レースでのパフォーマンスを高めるためには、重いギアを選択して、強い力でペダルを踏み、高い回転数を維持し続ける事が理想ですね。
しかし、大きな筋力を発揮し続けることはとても難しいことです。弱すぎず、強すぎない適切な筋力発揮で、長い時間力を発揮させることがトライアスリートに求められる体力です。
■重いギアの落とし穴
トレーニングでは、重いギアを選択して、ペダルを踏む筋力をアップさせるというトレーニングを考える事ができます。私も坂道でのトレーニングを推奨しています。
しかし、重すぎる負荷になると動きが変わってしまうので、注意が必要です。身体中の色々な筋肉を動員して動かすことも必要な場面があるのですが、トライアスロンの場合、無駄な力を使わずに一定の負荷で走り続けることが一番大切なので、ある程度高い負荷を長く発揮できる能力を高めたいところです。
よって、ペダルを踏み始める時に、踵が落ちてしまう足首の動きや、骨盤が左右に大きく揺れたり、捻るが大きくなるような動きができるだけ出ないような範囲で大きな力を発揮できるような負荷の掛け方を意識してみてください。
■デバイスのデータを確認
先週のコラムで「ラップを使ってデータの確認をする」というお話をしましたが、ライドが終わった後に、パワーとケイデンス、そして心拍を組み合わせて比較して、(さらにLEOMO TYPE-Sを使うと動きも比較可能)適切なトレーニングにするために、ある程度の回転数を維持して、高いパワーを発揮し続ける事ができるギア比を探してみましょう。
ほとんどのデバイスで、トレーニング後にアプリやウェブ上でグラフを重ねて確認する機能が付いています。グラフを重ねることで、複数のデータを比較してパフォーマンスを確認する事ができます。
レースのデータでパワーとペダル回転数、心拍を比較すると後半に低くなるデータがわかりやすく見る事ができ、調整とトレーニングに役立ちます。
特に頑張り過ぎているところは少し低い値になるように調整し、その調整した値を目安に、ちょっとだけ高い負荷にんなるようにトレーニングをすると良いと思います。
データの活用以外でも、上りを登っている時も、" 平地で頑張っているつもり "でペダリングをするように意識をするだけでも良いと思います。上りでもできるだけ高い回転数を維持し、ペダルを"回転させる"という意識をし続けてみてください。
私も53-39、12-25への拘りを捨てて、変化させたいと思っています。笑