nakaji tips「スイムで周りを見る」
今日は、オーシャンスイムのレース中に役立つ「周りをみることの重要性」がテーマです。
トライアスロンのレース会場は全て"特設"会場です。
その場所、環境に応じてコースが設定され、レース中は天候により選手の対応能力が大きく左右されることがあります。
私はサッカーを長年やってきたからか?周りの動きが常に目に入り、その動きなどを認識してしまいます。
「日常生活から周りを認識し、後ろにいる人までも、認識するくらい癖をつけろ」と教わりました。
(なので、集中力がない...と、言い訳しています。)
泳ぎながら息継ぎのタイミングでプールサイドを歩いている人、横で泳いでいる人、プールの中に浮いているゴミなどなど認識してしまいます。
これは、泳いでいる時だけでなく、バイクやラン、日常生活でもそうなのですが、正面を向いていても、横にいる人、斜め後ろを走る人などが気になります。存在だけでなく、息使いや足音までも気になります。(←これはコーチの職業病)
トライアスロンのスイムでは、この能力が大きな差を生むと思っています。
泳ぎながら、周囲の人、波、ブイ、景色を確認して、それに対処することで、無駄な力を使わず、最短距離を泳ぎ、さらに他の選手が作る流れに乗ったり、潮の流れに乗ったりすることができています。
■泳ぎながら何を見てる?
顔を水につけたまま、
●周りに何人くらいの人がいて、どんな泳ぎをしているのか?自分に寄ってきてる?離れてる?
●水中に見えるロープと自分の距離など
気にしています。
たまに時計を見て、タイムや距離を確認します。
息継ぎをすると片目が水から出ますので、
●隣を泳ぐ人のヘッドアップの回数(何度も前を向いていれば、コースは比較的あっています)
●波のリズムや大きさ
●景色(最短距離を泳いでいるか?)
●ブイやロープ
●周りを泳ぐ人の動き(近寄る?離れる?など)
などを見ることができます。
さらに、一瞬前に顔をあげてヘッドアップをするときにも
●ブイの位置
●ブイの先に見える景色
●波のリズムや大きさ
●前を泳ぐ人の動きと位置
を確認できます。
■見た情報に対処する
横から波が来たら、呼吸のタイミングをずらしたり、横を泳ぐ人との接触に備えたり、正面からの波であれば、身体が持ち上げられた瞬間にヘッドアップをすれば視認性が高まりますので、そのタイミングを合わせたりします。波が顔の目の前にある時にヘッドアップしても何も見えませんね。
ブイとその先にある景色を覚えておけば、最短距離を泳いでいるか?を確認することができます。
できればコース下見などで、ブイの位置だけでなく、その先に見える建物や山など景色も確認することで、効率よく泳ぐことができます。
近くを泳ぐ人が蛇行していれば、その動きを読んで、泳ぐコースを変えることで接触を避けることができます。
また、前を泳ぐ人のペースが良く、真っ直ぐ泳ぐことがわかれば、そのすぐ後ろを泳ぐことで、水の抵抗を減らすことも可能です。斜め後ろから追い越して行く人に寄っていって、その流れをもらってペースをあげることも可能ですね。
このように目から入ってくる情報に寄って、その対処が可能となり、無駄な力を使わず、さらに他の泳者からの流れを受けて速く泳ぐことも可能となります。
プールで泳ぐ練習時も「良いフォームで泳ぐこと」「適切なスピード(強度)で泳ぐこと」を考えながら、水中、水上の情報を意識的に見るようにして、周りの状況を判断する癖をつけましょう。
ただボーッと見るのではなく、時計をみて時間を把握したり、コーチのシャツの色や柄、隣を泳ぐ人の水着の色など、状況を把握することがポイントです。
ドリルで手の動き、足の動きを覚え込ませる事と同じように、目から入る情報を認識させることを無意識にできるように日々のトレーニングで行ってください。
これによりバイクトレーニング中の事故を予防することも可能になります。