nakaji tips「トライアスロンと体重」
トライアスリートに役立つお話を少しずつ...
今回は体重のお話です。
スイムは、体脂肪率がある程度高いと浮力が高くなるので有利。
バイクは、体重があった方が高パワーで平地が走れるけど、坂道は軽い方が断然有利!
ランは、軽い方が有利!
トライアスロンって、バランスが大切なスポーツだと思います。
トレーニング時間の割合、強度のバランス、レースのペース配分などなど考える事がたくさん。
でも、それが楽しみの一つでもあります。
「トライアスロンって軽い方が有利ですよね?ダイエットするべき?」
という質問を良く受けます。
私の回答は、「適切な量と強度のトレーニングを行って、バランス良い食事を摂っていれば、あなたにとって適切な身体になります」というお話をします。
今ある身体の状態は、数ヶ月前からの運動・トレーニングと食事、さらには日常生活のバランスによる結果です。この結果である体重や体脂肪率を、無理矢理コントロールすると身体は何処かが無理をして、何かが破綻することが多いのです。さらに短期間で変化を求めると身体は悲鳴をあげます。
さらに、結果を合わせるために、無理矢理作った身体って、見せかけの身体であり、あっという間に元に戻ったり、一瞬速くなるだけ、その後の本当の強さに繋がらないんです。
一般的なダイエットと言えば、食事のコントロールをしますね。
食事の量を減らすと、摂取できる栄養素が減ることになります。トレーニングをしてしっかり疲労を回復させたいのに、必要な栄養素が足りない状況に陥ります。それでも短期間だと頑張れてしまうので、疲労回復が十分でない状況でトレーニングを継続する。一瞬軽くなるので、ランニングは速くなるかもしれません。でもパワーがでなかったり、ケガをしたり、疲労感やストレスが強くて長く続かないという事になります。
日本のトップアスリートも、体重を気にして、コントロールし続けた選手は、一瞬目立つけど続かないパターンが多いですね。まずは盛り盛り食べて、強くなる。そして、強くなればトレーニングの強度も量も増える。そうなれば自然に適切な体脂肪、体重に変わってゆきます。
私の自慢は、選手の指導で体重を減らすという指導を一切しませんでしたので、生理がなくなるという選手はいませんでした。雑誌の記事に刺激されて、私に内緒で一時的にベジタリアンになって貧血になった選手はいましたが...笑。
"継続させること!"が一番大切
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↑過去の自分の等身大写真を持ってコナでフィニッシュ。
上の写真の男性は、4年で120kgの減量に成功して、さらにIRONMAN チャンピオンシップであるコナを完走!
4年間継続したから、ここまでの偉業(?)を達する事ができたのです。
ダイエットだけでなく、レベルアップのためのトレーニングも一番大切なのは、継続させること!
継続させるためには、ケガをせず、モチベーションも保ち、仕事や家事などがあるなかでも継続させる工夫をする事がポイントです。
最初に強度や時間を伸ばしがちですが、それよりも頻度を増やす工夫をしましょう。
頻度を増やしても"継続して行えるレベル"で、弱すぎず、強すぎないトレーニングを考えましょう。身体にかかるストレスや時間を作るストレス、精神面にも大きなストレスにならないレベルをまず考えます。
そして、疲労回復に必要な栄養をバランスよく摂取し、次のトレーニングのエネルギーになる糖質も摂るような食事をするという当たり前の事を続けられるようにしましょう。
そして、少し体重や体脂肪が多い方は、お菓子やお酒を控えめにしたり、ご飯を一口少なめにする事で、トレーニング頻度があがって、それを継続できれば、変化が見られるでしょう。
ご飯一口減らして3食で -60kcal、さらに20分だけのランニングで体重60kgだと300kcal消費。1ヶ月で1kgの体脂肪を減らす事ができます。
ご飯一口と20分の運動だったら、大きなストレスを感じる事なく継続できる気がしませんか?
体重を無理矢理コントロールするよりも、継続して良いトレーニングを行うことを優先に考えるようにしましょう。
それでも体重はチェックして、トレーニングと食事の量や水分補給、身体の浮腫などの評価をし、急激な結果を求めないようにして、修正を繰り返すようにしましょう。
体重をコントロールするのではなく、トレーニングと食事、疲労回復、体調のバランスを考えて修正をするようにしましょう。
私はトライアスロンに限らず、様々なトップアスリートに接してきました。根付いた強さを持っている選手に共通して言えることは、「何でもガッツリ食べて、どこでもたくさん寝れる」です。