nakaji tips 「感覚派?理論派?」
数年前から私のセミナーによく参加していただいた方とのやりとりです。
「コーチの言っている通りにやってみたら楽に走れました。」
「ん?毎回同じ事言ってましたよ」
「コーチの言ってることってトップアスリート向けだと思ってました」
毎回出てくれるんだけど、理解してもらえてなかったんですよね...。
分かりやすく話をしているつもりだったのですが、伝わっていなかったのです。
そして、聞いていただく方も「私には当てはまらない」と言う前提で聞いてたんですよね。
これはコーチングの話なのですが、理論派 x 感覚派も同じ様な事がありますね。
自身をどちらかに決めつけて、相手を認めなかったり、耳を傾けなかったりしてませんか?
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私は理論派ってよく言われますが、動きのアドバイスをする時は、感覚や動きのイメージを大切にしています。
効率良い動きを頭で理解して、それを人に伝える時は、誰もイメージしやすい動きに置き換えたり、感覚としてわかりやすい言葉に置き換えるようにしています。
例えば、スイムで入水後に肘を曲げる動きを、「自分よりちょっと背の高い人の頭のてっぺんを真上から叩くように」とか、力を入れるタイミングを「入水し、手のひらにスーッと流れを感じたら、ポンっと頭を叩く」みたいなタイミングや動きの強弱の話をしてみたりしています。
自分で泳いだり、走ったりしながら「動きを伝えるためにどんな表現が良いのか?」を考えながら走ってみて、感じた言葉を使っています。
この時の身体の動かし方の情報源は、様々な研究によりものを選び、できれば、複数の研究結果に基づくものを選ぶように心がけています。
自分自身の頭の中では、「股関節が内旋しながら屈曲して」とか考えるのですが、それをアドバイスする相手にわかりやすい言葉にする必要があります。同じ言葉で同じように説明しても、理解度が違います。理解ができなかった方の言葉や理解してくれた人の言葉を聞いて、それをもとに伝え方を再考するようにしています。
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理論派?感覚派?というキーワードでいくつか調べてみました。
理論派:過程を理解しようとする
「○だからxになった」
感覚派:結果を評価する
「xだったから○は良かったんじゃないか」
理論派:再現性が高い
「仕組みを知ってるから、それ通りにやれば」
感覚派:成功すると成果が大きい
「来た!これだ!」
理論派:情報源がデータ
感覚派:情報源が自分の感覚
というような分け方をしていました。
スポーツの動きやトレーニングに関する情報を、相手は理論派だから、自分が感覚派だから...と思考停止したり、言っていることを理解しようとしないと勿体ない。理論派のデータに基づく説明を理解しようとして、自分の感覚に置き換える作業をすることでレベルアップすると思います。
ランニングで「身体の真下に着地して」とアドバイスしますが、実際は2時間で走る人も身体より前に着地します。でも、そんなイメージで走った方が、理想に近いところに着地するし、無駄な負荷をかけません。
着地は「後ろに蹴って」って言うと足が後方に残る事が多いので「パンっと地面を踏んで」と言います。
私は実際は違う事を伝えてから「イメージは...」と説明する様にしています。
理論も感覚も大切です。たまには適度な根性論もですね!