nakaji tips 「バイクのトレーニング強度を明確にしよう」
■バイクのトレーニング強度を明確にしよう
「ランで後半潰れるんです..」という方の話を聞いて原因を探ると、「バイクでのオーバーペース」という事にたどり着く事が多いですね。
トライアスロンのバイクパートでは、スタンダードディスタンスでは、40km。ミドルは90km。ロングは180kmという距離を一定のペースで走り続け、その後のランへのダメージを最小限にするペースを考える必要があります。
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まず、復習をしましょう。
以前、「IRONMAN プロ選手のパワーをチェック(IF)」という記事を書きました。
https://athlonia.com/school/topics/column/ironmanif/
「やっぱりプロ選手は凄い!」というだけでなく、IRONMANのフィニッシュタイム別の強度に関するリサーチについても紹介しました。
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【復習】FTPとは
ご存知ない方のために説明をします。
ご存知の方はこの段落を飛ばしてください。
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FTPとは、トレーニングの効率を上げるために、強度設定が大切なのですが、その強度設定をできるだけ適切にするために用いられる指標の一つです。
20分間のテストなどで推定することが可能で、多くのサイクリストやトライアスリートがこの手法を用いてFTPを測定し、トレーニングに活かしています。
20分で予測をしますが、本当のFTPとは、1時間走ったところで「もう無理」と倒れ込むように精一杯頑張った時の平均パワーのことを言います。
「今日のトレーニングはFTPの90%で走りましょう」という様に強度設定に使われます。
■Functional Threshold Power(FTP)= 機能的作業閾値パワー。
1時間継続できる上限のパワー値。持久力の指標として活用される
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■FTPやVo2maxをあげる?
ランニングのトレーニング強度の話でも「最大酸素摂取量(Vo2max)をあげるトレーニングが必要ですよね」と聞かれ、バイクでも同様に「FTPをあげるためのトレーニングが必要?」という質問をよく受けます。
バイクタイムが1時間~2時間というスタンダードディスタンスやスプリントディスタンスでのパフォーマンス向上を目指している方にとっては、FTPをあげるために必要なトレーニングがレースでのパフォーマンスに直結すると思います。
なので、Vo2maxやFTPをあげるためのトレーニングという言葉が合ってるのか疑問は残りますが、その強度でのトレーニングが効率が良いと行って良いと思います。
疲労回復の効率も考えて、パワートレーニングとしてよく使われる指標のレベル3~5がメインのトレーニング強度になると思われます。
3 (76~90%):Tempo テンポ走[ややきつい]
4 (91%~105%):Lactate Threshold 乳酸閾値[きつい]
5 (105~120%):VO2max 最大酸素摂取量[かなりきつい]
■ロングディスタンスのトレーニング
では、ミドルやロングディスタンスはどうでしょうか?
FTPやVo2maxを高めるためのトレーニングではなく、ロングディスタンスに必要なトレーニングを行った結果、FTPやVo2maxが向上したという認識の方が良いと思っています。
ロングで必要な体力は、90km〜180kmを走る間に一定のパワーを発揮し続ける事です。ポイントは「し続ける」です。さらにその後にあるランニングの事も考えなければなりません。
以前の記事で紹介したサイトの表です。どのくらいの強度でバイクを漕ぐべきなのか?が参考になりますね。
IRONMANのフィニッシュタイムごとのバイクの%FTPの指標が書いてあります。
スクリーンショット 2020-09-18 9.50.15.png
(参照:my Pro Coach https://www.myprocoach.net/blog/how-to-pace-an-ironman-bike/ )
例えば、12時間を切りたいという方は、FTPの72~74%が目安ですと表記されています。
全ての人が当てはまるわけではありませんが、トレーニングの指標としては役に立ちますね。
トレーニングもこのFTPの70%程度を目安にして良いと思います。
長く走る時は、70~75%。短い距離でトレーニングを行うときは80~85%くらいがトレーニング強度として目安になると思います。
レベル2~4が中心のトレーニングですね。
2 (56~75%):Endurance 耐久走[ほどほど]
3 (76~90%):Tempo テンポ走[ややきつい]
4 (91%~105%):Lactate Threshold 乳酸閾値[きつい]
■頻度と継続
トレーニングで一番大切なことは、頻度を高めに継続して行うこと。
頑張りすぎると疲労が強く、余分な動きも生まれてしまいます。
"良い"トレーニングが継続できないと無駄が多くなってしまいます。
無駄に高い強度で頑張りすぎる必要はありません。
良い動きで走り続ける強度を考えながら、徐々に距離や強度を上げられるようにしましょう。
これによりペース感覚も養われ、レースでのオーバーペースを減らすことができるようになります。
人と競い合うようなトレーニングではなく、自分の体力に合ったトレーニング強度、時間、距離を考えてみましょう。
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