nakaji tips 「ランニングのドリル」
ちょっと意識したり、ドリルを数回やっただけでは、変わりません!
繰り返し、繰り返し行って身体に染み込ませる事が大切。
ランニングの動作で足が地面に付いている時間(接地時間)は、スピードにより変化しますが、0.2秒くらいです。この一瞬で、着地し、身体を支え、地面を蹴って前に進むという動きをしなければなりません。
速い選手は、着地する前の動きから次の一歩のための動きが始まっています。
前に出した脚の太ももが振り下ろされると同時に、膝から下が曲がって行き、接地した瞬間に地面からの反力を受けて次の一歩への推進力とします。
「身体の真下を踏みつけるように着地してくださいね」というのは、この動作を習得するためのアドバイスの一つです。
今回は、この動きを強調したドリルを3つ紹介します。
[1]「膝を伸ばしたままのステップ」
着地動作の前に脚を引く動作がないと、身体より前に着地してしまいます。自分の脚を引きながら着地する事を強調させるドリルです。
■ポイントは、
膝を伸ばしたまま前に出した足を素早く手前に引いて着地させる。
手前に引く動作とともに反対の脚を素早く前に出す
良い姿勢のまま、身体全体(踵から頭までを結んだ線)を前傾させる
[2] ツーステップをしながらのもも上げ
地面を踏みつけるように着地する事で、着地による反力を受けて次の一歩への力を効率よく生み出す事ができます
このためには、適度に太ももを上げ、振り下ろす動作が必要です。この動きを強調したドリルです。
■ポイントは
少し大げさに太ももをあげる
上げた太ももを振り下ろすイメージ
膝から下はリラックス。
太ももを上げたときに背中を丸めない
[3] ケンケンからのランニング
片脚ジャンプは、着地するときに必ず身体の真下に着地をします。さらに少し高くジャンプする事で、太ももの振り出し、振り下ろしを意識して、地面からの反力を感じやすくなります。
■ポイントは
胸を張って良い姿勢で行う
できれば浮いている脚も大きく振り上げる
高くジャンプして、空中で足を大きく動かす
3歩ずつ〜2歩ずつ〜1歩ずつと歩数を減らしてランニングに移行
動画はこちら
スクリーンショット 2020-06-12 16.05.17.png
https://youtu.be/ZnaI0VEjBok
トップアスリートだって、メインのトレーニングの前に、ストレッチングやエクササイズにじっくり時間をかけて、動きやすい状態を作り、メインのトレーニングの中でもさらに何度も何度も動きを分解したドリルを行うなど、時間をかけて良い動きを習得し、また修正してという事を繰り返しています。その結果、効率良い動きが習慣化され、それがパフォーマンスにつながります。
「何も考えずに走り出したら、良いフォームになっている」というように、良い動きが癖となるように繰り返し、繰り返しトレーニングを行っているのです。
仕事や家庭の事など忙しい時間を調整して得たトレーニング時間、どうしてもいきなり走り始めてしまったりします。
「走る時間を5分だけ削って、ストレッチングやエクササイズをしてください」「泳ぐ前に5分だけ早くプールに行ってストレッチングをしてください」なんてアドバイスを良くさせていただいています。動きを修正するためには、走りながら、泳ぎながらというのはとても難しい事なので、動きを分解したドリルやエクササイズをこまめに行う事をお勧めします。
ランニングのドリルは、トレーニングの途中、信号で止まった後などに行ったり、レース中でもやって頂くと動きが変わって、ランニングの効率が変わったりします。継続して実践する事が大切。
長い年月をかけて染み込んでしまった悪い癖を変えるためには、日常生活から姿勢を変えたり、動きを正確にするくらいの意気込みが必要ですね。
是非、日々のトレーニングに取り入れてみてください。