nakaji tips 「安定して力を発揮する」
トレーニングコラム 「安定して力を発揮する」
今回は、外部のサイトにアップされた動画を見ながらお話をしたいと思います。
トライアスリートには苦手な人が多いスプリントですが、ツール・ド・フランスなどでも有名なCavendish(緑のウェア)の動きに注目することでヒントがありました。
観客席でお腹を出している人はスルーしてください。(笑)
さて、この動画の後半にスロー再生があります。
相手のVivianiもツール・ド・フランスで勝利をしたことがある強豪選手。この二人のフィニッシュ直前で大きな違いがあります。
もう一度動画を再生して、よく比べてみてください。
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お分かりでしょうか?
Cavendishはほとんど上半身がブレてないんです。動画のスロー再生1'35くらいからVivianiの肩や頭の動きが大きくなるのがわかりますね。
逆にCavendishの肩や頭の動きは最小限に抑えられ、身体で生んだ力の全てをペダルに伝えているように見えます。決して楽に走っている訳ではなく、相当なパワーを発揮しているのだと思いますが、ムダのない走りが勝利の原因の一つだと思います。短い距離ですが、ラスト半周でもその前半に生んだムダな力が最後のパワーに影響していると考えます。
さて、トライアスリートのみなさんのバイクでは、その次にあるランのために余分な体力を使わずに、長い距離を最初から最後まで効率よい動きで走り続けることが必要です。途中でガムシャラになるような動きは必要なく、最後にガムシャラになってしまうのは、前半のオーバーペースが考えられます。
骨盤などが余分に動いてしまう原因は力の入れ方だけでなく、サドルの高さ、前後位置、骨盤の角度などで安定性が変わってきます。
自分の走っている動画をみたり、人が走っているのを見たりした時に「リラックスしている」「リラックスしながらも力がうまく入っている」「ガムシャラだ」というのがわかると思います。
「ガムシャラだ」と見られてしまう動きは、ハンドルを強く握ったり、ハンドリに体重をかけていたり、頭や肩が左右に動いたりして様々な方向へのムダな動きを生んだりします。そして、様々な方向に動いてしまった身体を元に戻す体力も必要になります。
トライアスロンは"前だけ"に進めば良いスポーツです。ムダな方向への力の発揮は出来るだけ避けたいですね。l
ムダな動きを減らすポジション、フォーミング、トレーニングを日頃から行うことが大切です。
3種目共に、リラックスして良いフォームを意識して徐々にスピード(強度)を上げて行ってみてください。リラックスし続けること、良いフォームを意識することは忘れずにスピードを上げて行くと、あるスピードを超えると動きがバラバラになったというポイントがわかると思います。そのくらいの強度のスピードで、リラックスして良いフォームで頑張れる程度の強度でのトレーニングに時間をかけることで、同じ頑張りでのスピードが上がってきます。
おそらくその強度は、体力的にもちょうど良い強度であることも多いかと思います。
ムダな頑張りは、ムダな疲労を残します。全く必要ないかというとそうではないのですが、費やすトレーニング時間の割合をリラックスして頑張れる、ちょうど良い強度を探して、良い動きで走るトレーニングを徐々に多くしてみてください。同じ感覚で自然にスピードが上がってくるはずです。
Cavendishは、ムダな方向への力を発揮するのではなくペダルにかける最大の力だけを効率よく出したから、最後に追い越す力が残っていたと私は分析しております。
アスロニアでは、感覚や目による観察よりも信用できるセンサーからの数値でアドバイス、トレーニングができるデバイスを用意しました。
ショップスタッフに声をかけてください。
動画:Global Cycling Network
日本版のGCN Japanもあり、元プロライダーの土井ちゃんがMCしております。