tri-tips 2024【OWS対策】これが頭に入ってればあなたもヘッドアップクロールマスター?!(オープンウォータースイム)
2024年もトライアスロンのシーズンが近づいてきました!
主要な大会では、
・4月14日(日)の全日本トライアスロン宮古島大会
と、翌週
・4月21日(日)の石垣トライアスロン
が先陣を切る形になるのではないでしょうか?
それぞれの大会の距離は、
・宮古島
スイム3km ロードバイク123km ラン35km
・石垣島
スイム1.5km ロードバイク40.0km ラン10.0km
と、結構長いですね。
唯一景色がほとんど変わらないスイムこそ、効率的な泳ぎを身に着けた上でレースに臨みたいところ!!
【トライアスロンの最初の種目はスイム(水泳)】
このパートで1.5~3kmなどの距離を如何に楽に泳ぎ、バイクとランに繋げるか?
トライアスロンとは、最後のランでゴールテープをカットしたタイムで競われます。
すなわち、スイムでいくら速くてもその後のバイクとランでずるずるとタイムを落としてしまうと、結果的に順位も下がってしまう、総合力で勝負する競技なのです。
【では、スイムは脚切りにならなければ良いのか?】
とんでもない。
総合力で勝負する以上、どのパートもレベルを上げる必要があります。
しかしながら、トライアスロンでのスイムは、プールでのそれとは異なるため、何をもってレベルが上がっているのか?上げるのか?海で泳ぐためにやるべきことは何か?を明確にする必要があります。
【トライアスロン初心者】ホノルルトライアスロンデビューに向けて着々と(ホノチャレ2024)
トライアスロンのスイム(海で泳ぐ上)で最も大切なことは、最短距離を泳ぐことです。
で、その最短距離を泳ぐために必要な技術がヘッドアップクロール。
下記の画像をクリックして動画をご覧ください。
【ステップ①】
ヘッドアップクロールの説明の前に、一般的なクロールの呼吸動作について。
ヘッドアップクロールでも普通のクロールでも、呼吸動作は右、もしくは左です。
前方確認している最中に呼吸なんてするもんなら水を飲むこと必須です。
呼吸動作=水面から顔を上げる動作です。
陸上で真上にジャンプするときに地面(下方向)に力を加えるのと同様に、顔を上げるということは、顔の質量分の浮力を下方向にかける必要があります。
※ただ横を向くだけでは水面より上に口が出てこないため。
顔分の浮力を手の平で下方向への僅かな力のかけ方を学ぶドリルとしては、ビート板を使った片手のクロールがオススメ。
※テキストのみなので頭の中でイメージしてね!
右呼吸の場合は、ビート板中心からやや下のあたりに手を置き、右手を2回ごとに最小限の動作で呼吸をしてみてください。
左手はただビート板の上に置いているわけではなく、若干ながら下方向に力をかけている感じが取れるはずです。
子どもが最初に包丁を使って野菜や果物を切る時に緊張して無駄な力が入っているのと同じで、最初は必要以上に力んでしまうかもしれませんが、回数を重ねるごとに適切な力加減が分かってくるはず。
分かってきたらビート板を取る、もしくはビート板よりも浮力の小さいものを使って同じことをしてみる。
そうすると、徐々に呼吸時の手の感覚がわかってくると思います。
得意な方でその感覚を掴めるようになったら、次は反対側もチャレンジしてみよう!
【ステップ②】
次は前で視線を上げる(顔を上げる)練習です。
いきなりヘッドアップクロールをやるのはステップアップしすぎなので、スカーリングというアーティスティックスイミングの選手が用いている技術を使ったドリルをします。
けのび姿勢よりもややプールの底方向に手を下げた、いわゆるキャッチポジションでスカーリングを行います。
この時に、前に進みながらも呼吸を前ですることができれば、それはすなわち顔を上げる分の浮力を得られているということです。
ポイントはスカーリング中に"体がバウンドせずに真っすぐ進みながら呼吸ができる"ことです。
真下に押せばその分上方向へ体が押し上げられますが、それだと前に進んだり上に上がったりと非効率。
前に進みながらも顔を上げる力を手の平で生み出すことが重要になってきます。
【ステップ③】
ステップ①と②を組み合わせます。
クロールの呼吸が右と左の2方向(2パターン)しかないように、ヘッドアップクロールの種類もリズムやテンポなどを除き基本的には2種類しかありません。
※普段右呼吸を得意としている方の場合を例に説明します。
(パターン①)
右手入水後に右手で浮力を生み出しヘッドアップ→その後しっかりと顔を水面下に戻り通常通り右呼吸。
(パターン②)
右呼吸の動作に入る前に、右手で通常よりも下方向へ水を押し反対の身体を斜め前方向に押し上げつつ、左手入水後にヘッドアップ→その後その高さのまま右呼吸。
※詳しくは動画をご覧ください。
どちらのヘッドアップクロールが正解とか不正解とかはありません。
完全に個人のやり易いさに依存します。
しかしながら、テキストで見てもわかるように、パターン②はちょっと難易度高めの比較的上級者(スピードを上げたときに用いることが多い)向け。
パターン①はヘッドアップと呼吸を別々で行えるため、普段とは逆の手で下方向への浮力を生み出す必要はありますが、落ち着いて泳げるのがポイント
どんな海の状況でも冷静にスイムパートをこなし、バイクに繋げるためには、できればどちらのパターンも身に着けておけるといいですね!
さてさて、
全てのステップは問題なくできますか?
もしできない場合はお近くのATAで習得しましょう。
できる方は、それを海で長時間でもできるか実践しましょう。