nakaji tips「スイムのリカバリーで肘を曲げる理由」
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クロールで泳いでいる時に空中で腕を前に持ってゆく動作「リカバリー」の際に肘を曲げるようにアドバイスをしています。その理由を2つお伝えしましょう!
■筋肉が緩んで肩を上げやすい
力こぶの筋肉(上腕二頭筋)の上端は、肩甲骨の上端で体の前方向に出ている突起(鳥口突起)についています。
肘が伸びた状態というのは、筋肉が伸び切っていて、少し引っ張られた状態。上腕二頭筋に引っ張られたまま肩を上げようとすると、その伸張ストレスもあって動かしにくくなっています。
その場で、肘を伸ばしたまま、そして、肘を曲げた状態で腕を上げてみてください。違いがすぐにわかると思います。
昔からストレートアームのリカバリーができる選手は、競泳選手の中でも肩甲骨、肩の柔らかい人と言われていました。
■身体が沈む可能性が大きくなる
物体が動くと動こうとする反対側に力が働きます。
水を後方の押そうとすることで、身体が前に進みますし、地面を踏みつけると身体が浮こうとします。
この2つの事象のようにメリットだけでなく、デメリットになる作用と反作用もあります。デメリットとなるような動きはできる限り減らしたいものです。
ストレートアームでのリカバリーは支点(腕の付け根)から手までの距離が遠くなります。中学?の「てこの原理」の授業で習ったように、支点からの距離が遠くなれば大きな力が必要となります。
その場で、肘を伸ばして腕を振った場合と曲げて振った場合の体幹へのストレスを感じてみてください。
さらに、ストレートアームで泳ぐ人のほとんどは、腕を大きく回そうとしていて、水面から手を遠ざける動作をしてしまっています。この動作の反作用は、身体を沈める方向に向かいます。
デメリットとなる反作用を生む可能性がある動作はできるだけ避けたいですね。
■ドリルで修正
ウォーミングアップの時やドリルの時間をしっかり作って、身体に良い動きを覚え込ませましょう!ストレッチングや陸上で動きをイメージさせるようなエクササイズも効果的です。
ゆっくり泳ぎながら、
1) まずは、水中でしっかりプッシュをします。手の親指が太ももに触れることを確認してください。プッシュを最後まで行うことが理想のリカバリー動作のきっかけ作りができます。
2)プッシュをしっかり行ったら、ズボンのポケットから手を抜くように肘からリカバリーを始めます。
3) 肘から先をリラックスさせ、手の指先が水面に向かうようにします。
4) 肘を斜め前の上から糸で引っ張られているような意識で前に持って行きます。肘から先は後から引き摺れられるように、肘から前に持ってゆくように!
手の指先が水面に常に触れながらリカバリー動作をするドリルをフィンガーチップと言います。
リラックスして泳ぐ時は、常にこれをやると徐々に身体が動きを覚えてくれます。
丁寧に動きを確認しながらやってみてください。