nakaji tips「同じペースなのに心拍が上がる?」
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「同じペースで走っているのに、同じ感覚なのに長く走っていると心拍数が高くなります。スピードを落とした方が良いのですか?」という質問がありました。
■Cardiac drift(心拍ドリフト)と言います。
長く走り続けると体温が上がります。さらに汗もかきますね。
体温が上がると、ヒトは体温を下げるために皮膚に近い血管への血流を増やして、熱を身体の外側に逃がそうとします。
また、汗を蒸発させて気化熱により体温を下げようとします。
体表面への血流が増え、汗による水分量の低下の影響で体を循環する血液の量も減ってしまうと、運動に使うためのエネルギーや酸素を運ぶ血液が減ってしまいます。
となると心臓は、心拍数を増やして必要な酸素やエネルギーを送り届けようとします。
これをCardiac drift(心拍ドリフト)と言います。
これは様々な研究で報告されています。
■動きの変化も影響!
これは、私の勝手な意見です。
LEOMOのセンサーTYPE-Sを使って身体の動きを測定すると、長い時間走り続けて疲労が蓄積してくると左右のブレを始めとし、動きにバラつきが出てきます。腰、脚につけたセンサーのスコアがどんどん悪い方向になってゆく人がほとんどです。
フォームが変わり、左右のブレや着地時の沈み込みが大きくなると、使う筋肉が多くなります。使う筋肉が多くなれば、身体への負担が高まりますので、心拍数が増加しますね。
これも後半の心拍増加に影響していると十分に考えられます。
心拍ドリフトによる心拍の上昇だけで、大きなペースダウンをする必要はないと思いますが、どちらも、身体への負担が大きくなってきた反応としての心拍数上昇ですので、ペースへの影響はあると思われます。
早めに水分補給をしたり、体温が上がらないようなウェアを選んだりして、心拍ドリフトが起こらない対策と良いフォームで長く走り続けるために日々のトレーニングで意識をしなければなりません。
これは、心拍数の上昇を抑えるというよりは、パフォーマンスに大きな影響を与えますね。
■総合的に判断してペースをコントロール
持久系のスポーツは、自分に最適なペースをコントロールすることが重要です。
一般的にランニングでは、1kmにかかるペース「キロ5分」とか「キロ5分15秒」とかで考えていると思います。しかし、これだけでは十分ではありません。緩やかな上りや向かい風なのに、同じペースで走っていれば、オーバーペースになり後半のパフォーマンスに大きな影響を与えます。ペースだけで判断せず、「ややきつい」「きつい」「楽だ」という自覚的な運動強度と心拍数など様々な指標を総合的に判断してペースをコントロールしてください。
季節の変わり目は、前日までの気温と3~5℃くらいすぐに変わります。気温による身体の負荷もあります。
睡眠時間、前日までの体調、飲酒なども影響をします。一つの指標に捉われず、総合的に判断するように気をつけながら、走るペースをコントロールしてみてください。
目標のゴールタイムを平均して作ったペース配分だと後半のペースに影響を与えてしまうかも!
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