皆さんこんにちは!
先日、KONAでアイアンマンハワイが開催されました!
実は、弊社代表の白戸も参戦していたのです!!!
今回は、白戸のレースレポートをお伝えいたします。
トライアスロンの世界での頂点といえばアイアンマンハワイ。通称「KONA」で知られる、ハワイ島コナで開催されている、アイアンマン世界選手権だ。
すでに40年以上の歴史を持ち、オリンピックよりもずっと前からこの世界で輝いてきた。
特徴的なのは、エイジグループとプロが同時に競技しそれぞれのチャンピオンが決まるということ。今回のチャンピオンであるグスタフ・アイデンも「アイアンマンの世界はエイジとプロが一緒に競技する稀な存在で素晴らしい」と述べている。近年、ウォッチスポーツとドゥースポーツは分かれているのが普通だし、トライアスロンの世界でもオリンピックディスタンスでは、ルールも開催方法も異なっている。
そんなこともあり、今でもアイアンマンはこの世界に輝いており、トライアスリートの憧れであり、マーケットもここを中心に回っている。
そんなアイアンマンハワイも、例に漏れずコロナの影響を受け、2年間も開催が出来なかった。米本土では受け入れられても、ハワイ州はコロナ感染に敏感で、世界から人が来ることを受け入れなかったからだ。
そんなKONAでの世界選手権が3年ぶりに戻ってきた。
世界中のトライアスリートはもちろん、業界も、地元の皆さんも大いに期待するのは当然。
そんな中で運営者は大きな賭けに出た。それはこれまで1日で開催していたレースを2日にするというもの。これは参加者を増やしたいという思いと、1日で開催する物理的な限界を感じていたというのがあるだろう。確かにこの5年は選手のレベルも上がり、拮抗してきたためにコース上がとにかく混む。20年前はそんな風に感じなかったのに、近年は走りにくいと思うことが多々あった。
2日開催となったことで、当然交通規制も2日間ということになり、地元からも反発があった。もちろん経済的なインパクトもあるが、今までは土曜だけだった規制が木曜という平日にもかかるわけで、様々な意見が飛び交っていた。ただ、レースをやっていて走りやすくなっていたし、コースにも規制に対する気配りが随所に見られた。
たとえ2日に分かれてもKONAはKONA。
出場する選手は人生をかけてここにたどり着いている。そう、ここでスタートするのは簡単ではない。そのために長い時間と、お金をかけてトレーニングを積み、予選レースを勝ち抜いてやってくる。選手たちの顔には、そんなことをやってきた充実感と緊張感、そして誇りがみなぎっている。さらに、彼らに付いてきた家族や友人たちも、ここで走る意味を知っているからこそ、応援に力が入り、敬意が感じられる。多くのレースを走ってきた私でさえ、ここで感じるエネルギーは特別だ。
今年は2日間ともに風が静かで、選手たちを歓迎してくれた。
美しい海で常に海底が見えるスイムコース。しかしリーフの外に出るのでそれなりに波やうねりはあり、ウエットスーツもないので、実力差のでるコースだ。個人的には波にカラダを預け大海原で泳いでいる気分を味わえるのが楽しい。
バイクはコースには例年から変更はないが、今年はとにかく風がないのでスムーズ。ただ、「ハワイはフラットだ」という間違った情報が巷ではよく聞かれるがそれは大嘘。カーブこそ少ないものの、アップダウンの連続は力のない選手を容赦なくいじめてくれる。さらに照り付ける太陽。日陰などという言葉はこのコースにはなく、選手たちの体力を奪っていく。これに風が加わると、上りは辛いし、下りは怖いしということになるのだが、今年のKONAは選手に優しかった。
町に戻り、バイクからランへ。ここからの敵は何といっても暑さ。ランコースにも日陰というのがほぼなく、日差しが照り付ける。氷をとっても、水をかけても、まさに焼け石に水。このレースは速い選手ではなく、強い選手が勝つと言われるのがよくわかる条件だ。
今年、20回目の出場となった僕はもちろんこの厳しさは知っているし、ついでに自身の準備不足も理解していた。だからこそ、とにかく頑張らないで、冷静にコマを進めていくことを心掛けて進んでいった。そのかいもあり、ランの途中までは余裕を持った予定通りの走りが出来たのではないかと思う。が、やはりそんなに甘くないのがKONA。後半は暑さもあり、思ったようにペースが上がらない。それでもなんとか、笑顔でフィニッシュを迎えることが出来た。
先にも書いたようにこのレースは選手にも応援者にも特別だ。
だからこそ、ここのフィニッシュ会場は何とも言えない高揚感と、温かさで盛り上がりがある。人生の大きな目標を達成した選手たちの清々しい顔。これを見ているだけで人間の価値観が変わるようだ。例年、僕はできる限りそんなトライアスロンのパワースポットに身を置くのを楽しみにしている。今年は都合で行けなかったが、あの場を体験した方なら、トライアスロンというスポーツに意味を感じ、時に生き方さえも考えさせてくれるのはお分かりいただけるか。
縁あってトライアスロンの世界に触れて頂いた皆さんには、ぜひKONAに触れて欲しい。レースに出られたら最高だが、見るだけでもその意味が十二分にある。このレースにはやる意味と同様、見る意味もある。プロスポーツでないのに、それを感じさせてくれるエネルギーを持つKONA。ぜひ、来年以降の目標にいかが?
株式会社アスロニア
白戸太朗