nakaji tips「空気抵抗を減らすDHポジションなのに」
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先日開催した「ひたちなかタイムトライアル」(2022年5月5日開催)は、平坦な1周5kmのオーバル(楕円)コースを周回するタイムトライアル。
当日は風が少しあって、長辺の一方は追い風だけど、もう片方は向かい風になりました。風速3m/sほどだったのですが、スピードを出したい直線で追い風の後の向かい風は、実際の風速より強く感じてしまいます。
■後半戦になると
タイムトライアルの後半になると向かい風なのに、DHポジションを使ってない人が増えてきました。おそらく、肩や腰が痛くなって、DHポジションを取ることができなくなっていたのだと思います。
DHポジションは風の抵抗を減らす目的なので、向かい風のコースでは重要なはず。DHバーが付いているのに、DHポジションが取れないのは、とても勿体無いこと。
■トレーニングでは問題ないのに
トレーニングでは信号や市街地では横から出てくる車や人に備えてDHポジションで走る時間は短くなります。見通しの良い安全なコースでしかDHポジションは使えてません。
短い時間で「問題ない」と判断していても、長時間DHポジションで走り続けるタイムトライアルやレースでは、身体にかかる負担が大きくなります。
■DHポジションを維持するために-1-
空気抵抗を減らすDHポジションを維持するためには、適正なハンドルの高さとサドルからの距離を設定する必要があります。
前傾姿勢が強いほど空気抵抗を減らすことができますが、それを優先してしまうとDHポジションを取ることができなくなり、結局は負担が大きくなるというパターンが多くあります。
DHポジションは身体の幅を減らし、前から見る身体の面積「前投影面積」を減らすことが一番の目的。最後までDHポジションを維持できるようなサドル高さ、前後位置、ハンドルの高さと前後位置を設定することが大切です。
■DHポジションを維持するために-2-
腰、股関節、肩・肩甲骨周囲の柔軟性や体幹の筋力が低いと姿勢を維持することが負担になります。
どこか一つでも硬いと他に影響を及ぼしますので、DHポジションを長く維持させるためには、柔軟性を高められるようにしましょう。
↓この動画で紹介している腹筋は、腹筋の強化と共に、腰背部の柔軟性を高める効果も期待できます。
画像をクリック!
(他にもエクササイズを紹介しておりますので、よかったら見てください)
ゆっくりゆっくり身体を寝かせてゆき、転がってしまいそうなところで1秒間我慢するような努力を繰り返してゆくと、弱い角度での腹筋強化と柔軟性を高めることができます。
■肩の位置も重要
首をすくめ、肩甲骨を広げて丸めるような姿勢で乗っていると首への負担が大きくなります。首を長くして、肩甲骨周囲の力を抜き、肩甲骨で衝撃を吸収するようなイメージでリラックスさせることがポイントです。
ロードのタイムトライアルの世界的なトップ選手は、肩甲骨を寄せて空気抵抗を減らす努力をしたという話を聞いた事もあります。
距離が長くなればなるほど楽なポジションにし、十分に柔軟性、筋力を高めておくことが風にも負けず、走り続けるポイントです!
同じポジションで走り続けることができるこのイベントは、体力的なものだけでなく、ポジションや体の状態を見るためにも良いテストになりましたね。
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