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「恐怖心克服の先に得たもの(かなづちの挑戦)」~麻理子さんのTriathlon Story~

  • 2017.10.24

トライアスロンを始めたきっかけから、ホノルルトライアスロンでトライアスロンデビューまでを綴ってもらいました。

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~麻理子さんのTriathlon Story~
「恐怖心克服の先に得たもの(かなづちの挑戦)」

◎トライアスロンをはじめたきっかけ
元々体を動かすことが好きで、社会人になってからもマラソン大会にでるなど何かしらの運動はしていましたが、20代も後半になり、段々と足だけを使う競技に限界を感じるようになりました。
足だけを酷使することなく熱中できるスポーツはないか・・当時は何か新しいことを始めたく、ピラティスのレッスンに通ったりと、様々なことに挑戦していました。
偶然にも、ピラティスのレッスン中、トライアスロンをしている女性と知り合いました。
彼女は私と年も同じくらいで、とても魅力的な人でした。
去年出場したというホノルルトライアスロンのスタート前の写真を見せてもらったのですが、そこに写っている景色はまだ夜明け前の、暗く厳かな海でした。
なぜかとても美しく、未知の世界に見えました。
彼女はトライアスロンにとても熱中しているようで、レースのことや自分の経験談を色々と話してくれました。
彼女の熱意に耳を傾けていると、段々と「そんなに面白い競技なのかな?」と興味が湧いてきたものの、当時25mも泳げなかった自分には、トライアスロンはどこか凄い人がする、自分には縁のないスポーツ、という印象に留まっていました。

◎トライアスリートになるまで(大会デビュー)

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彼女の話を聞いてから、トライアスロンに少しだけ興味を持った私は、トライアスロンがどんな競技なのか、せっかくの機会なので調べてみることにしました。
お恥ずかしいことですが、当時は「3種目行うスポーツ」くらいしか知識がなく、どんな順番で競技を行うのか、どんな距離があるのか、それすらも知りませんでした。
調べてみると、スプリントという短い距離もあることがわかり、「これなら私でもできるかもしれない!」と少し嬉しくなったのを覚えています。
「面白そう」から「やってみたい」になるまでは、あまり時間はかかりませんでした。

何にせよ、まずは泳げるようにならなければ話しが始まらないと思い、一人でこっそり公営のプール施設に通い、25m泳げるようになろうと練習しました。
幼稚園の時は仮病を使ってでも休みたいくらい嫌いだった水泳。
でも心のどこかでは、いつかうまく泳げるようになりたいと思っていた水泳。
しかし鼻に水が入った時のツーンとした痛さ、息継ぎの時に一緒に水を飲み込んで咽る苦しさ、どれをとっても水泳は辛いことばかりの思い出があり、なかなか一人では上達しませんでした。
そんな時、「ゼロから始めるトライアスロン入門」(白戸太朗さん箸)という本を読み、トライアスロンを教える専門のスクールがあることを知りました。
曜日と時間で選び、ATAの南行徳校に通うことにしました。
レッスン初日、コーチから、「じゃあ、まずは25m泳いでみてください」と言われ、一瞬戸惑いました。その時はまだ、水に顔を浸けることにも、心の準備が必要だったのです。
動揺を悟られないようそっと息を飲んで、いけるところまで泳ぎました。
今思えば、その姿はとても見苦しいものだっただろうと想像します。
そんな風にして、私のトラ生活は始まりました。初めは苦手だったスイムも、練習する毎に少しずつですがうまくなっている実感が持て、半年後には1500mをノンストップで泳ぐことができるようになりました。何よりも、泳ぐことそのものを
楽しむことができるようになりました。

ATAに通い始めてから半年後に、国内のODの大会に出ました。
しかしスイムでパニックになってしまい5分ほどでリタイア・・・
もともとスイムが苦手な上、海での実践練習をしていなかったため、足が着かない場所、波のある場所で泳ぐのがとても怖かったのです。
そんな風にして私の初戦は惨敗に終わりました。

トライアスロン初心者が集まって練習して全員で完走を目指す「ホノチャレ」の存在は、ATAのスクールに通っている時に知りました。いつかはホノルルトライアスロンに出てみたいという気持ちがあったため、スイムで失敗した大会の後、「晴れて」ホノチャレに参加することにしました。
ホノチャレでは、スイム・バイク・ランの基礎をバランスよく行い、レース直前には海での実践練習も行います。
今年で4回目になるこのアスロニア主催のホノチャレ企画は、今までの実績として完走率100%というのを聞いていました。
コーチも、全員が完走することにあまり疑いをもってないようで、とにかく楽しみましょう!というスタンスでした。
そんな「全員完走が当たり前」の前提マジックにうまくかかり、OWS練もこなした私は、海への恐怖は薄らいでいました。

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◎大会当日
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朝3時起き。3日前に現地入りしたのに時差ボケは直らないままのレース当日でした。
月が出ている中、皆でバイクを押しながら会場入りしました。会場にはBGMが流れていて気分が高まります。
レースというよりはお洒落なスポーツイベントのような印象でした。

スイムスーツに着替え、月光照らす海の中、儀式のように水に入って水温を確認したり試泳したりする選手達。
夜明け前のスイムスタート位置に立ってみて、2年前、あの時はまだ自分がトライアスロンをするなんて思ってもいなかったことを考えると、今ここに立っていることがとても不思議で、感慨深いものがありました。
あの出会い、あの1枚の写真、そこから広がった人との繋がりと経験、こんな面白い競技があるんだという発見・・
自分に正直に行動すると、思いがけず良いものに出会える・・ということを知りました。
「今まで練習もしてきたし、能力的には完走できる。」そんな風に自分に言い聞かせても、
スイムが突破できるかどうかは半々な気持ちでした。
自分でも、自分が完走できることを半分疑っている・・。そんな状態でのスイムスタートでした。
折り返し地点のブイにたどり着くまでは、「本当に今、海を泳いでるんだ」「自分が海を泳いでいるなんて、信じられない・・!」そんなことばかり考えて、波に揺られて半信半疑のフワフワ心地で泳ぎ続けました。
途中口の中ががしょっぱくて、それだけでリタイアしそうになったり、でも今ここでやめたら、どんな顔で帰国したら良いんだろう・・と思ったり・・。
弱気になった時に浮かぶのは、コーチからの言葉でした。
「自分よりスイムが苦手な人も泳いでると思うと、最後までやり遂げられるよ」
「ホノチャレは今までの完走率100%です」
「皆で一緒にフィニッシュした時の感動は大きいよ」
今思えば、コーチ陣からはプラスの声かけしかしてもらわなかった。
「~できないかもしれない」のような、マイナスな気持ちになるような声かけは一度もなかった。
周りの人が信じてくれていたからこそ、自分の中にも自信ができたのだと、私は思っています。
そして折り返しブイを過ぎてからは、段々と調子付いてきて、泳ぎそのものに専念できるようになりました。
「キャッチの時はこういう姿勢で・・」「気持ちよく伸びて・・」
いつも練習していることが意識できるようになり、「ウミガメでも目撃しないかな・・」などと考えたりする
余裕まで出てきました。笑
岸が見えてきて、あと少し、と思うもなかなか岸に近づかない。もどかしい思いで浜に足がついた時は
「本当に泳ぎ切れたんだ・・これで完走できる」と、初めて完走の確信を得たのでした。

◎トライアスリートになってみて
最後のランでゴールが近づいてきた時、あぁ、自分もゴールできたんだ、スイムが克服できたんだ、みんなとゴールできたんだ!と本当に嬉しかった。
ゴール付近は選手達の笑顔と喜びで溢れていて、そんな喜びに満ちた空気を思いっきり吸い込んで、
その喜びを仲間達と分かち合って・・・。「ホノチャレ」に参加して本当に良かったと実感した瞬間でした。
一人だったら、もしかしたら参加自体を取りやめていたかもしれない。
スイムだって完泳できなかったかもしれない。だって、30年間25m泳げなかったんだから・・。
自分にかかっていた「私には無理・・」の呪縛は、多くの人からの応援と、同じようなレベルの仲間達との励まし合いによってあっさりと解けた。これぞホノチャレマジック・・・
泳ぎ切った感覚、もう絶対忘れない。
これまで私のことを信じて指導してくださったコーチ陣のみなさま、
いつも楽しく一緒に練習してくださったATAスクールのみなさま、そしてホノチャレのみんなに感謝しつつ、これからも仲間達と切磋琢磨して色々なレースに臨みたいと思いました。

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◎これからトライアスロンを始める人たちへのメッセージ
私がまずは25m泳げるようになろうと必死になっていた時、諸先輩方が書いたこの「my story」を読んでいました。
何度も何度も読んでいました。
自分と同じように25m泳げない人がホノトラを完走するまでのstoryに、いつも勇気づけられました。
いつになったら泳げるようになるかわからないけど、もう少し頑張ってみようという気持ちになりました。
「これができるようになりたい」という気持ちと「できるようになるのは当然のこと」という二つの思いを持って練習することは、その能力の向上速度にとても大きな影響を与えると思います。
時には自分のことを疑いたくなることもあると思いますが、この二つの気持ちを常にセットで併せ持ち、練習そのものや仲間との交流を楽しむ気持ちでいれば、自然と成長していくものだと私自身が実感しました。

私は準備期間が約1年と少し長くなってしまいましたが、無理だと思っていたところから始めた自分が完走できたのですから、今トライアスロンを始めるにあたって不安な点がある、苦手な種目があると思っている皆さんも、適切な練習を行えば、必ずできるようになると思います。
自分の殻を自分だけで破るのは大変な作業ですので、一緒に励める仲間を作ったり、モチベーションを保つ工夫をすることをおすすめします。

「自分にはできない」と思っていたことができるようになる驚きや感動は、自分自身へのイメージを変え、その後の人生にもきっと良い影響を与えることになると思います。
私の「my story」が、これからトライアスロンを始めようと考えている皆さんに自信を持ってもらえるきっかけになれば嬉しいです。
自分が体験したことと同じように、皆さんのデビュー戦が感動に満ちたものになるよう、心から応援しています。

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